みなさんこんにちは。
MBA=アメリカ、という固定観念みたいなものはどうしてもありますよね。
ですが、あまり名の売れていないUSのスクールに通うくらいなら、欧州で有名なMBAを検討することもぜひ考えてみることをおススメします。
USのMBAにはない特色もありますし、何より「欧州」という大きな地域に身を置けることのメリットもあります。
今回はそんな欧州MBAのいいところを見つつ、入りやすさと知名度からみた、「欧州お買い得スクール」もあわせてご紹介したいと思います。
Contents
欧州MBAに行くことの4つのメリットとは?
あえてアメリカではなく、ヨーロッパのMBAを選ぶことのメリットとは何でしょうか?
私自身、受験したスクールのほとんどはヨーロッパのものでした。
メリットは大きく4つあると思っています。
1. 学生の平均年齢がアメリカのスクールよりも高い
最初にメリットとしてあげられるのは、学生の平均年齢が高いことです。
なぜこれがメリットかというと、特に日本の社費留学生は通常30歳前後で派遣されることが多いので、欧州MBAのほうがターゲットレンジに入りやすいのです。
最近、アメリカのMBAは低年齢化が進行しています。
たとえば、ハーバードビジネススクールのClass of 2019における学生の平均年齢は27歳でした。
スタンフォードは平均年齢を明示していませんが、代わりに平均の職務経験年数を公表しています。
これを見ると、ここ数年はずっと「4年」できています。
このことから、おそらくスタンフォードも27,8歳が中心であると推定できます。
アメリカのMBAではこの20代中盤~後半というボリュームゾーンから大きく外れてしまうと、合格可能性がかなり下がってきます。
一方、欧州のスクールはおおむね30歳前後がボリュームゾーンです。
たとえばINSEADのClass of 2018の平均年齢は29歳。クラスの年齢構成を見ると、31歳以上が全体の31%もいます。
London Business Schoolも同じく平均年齢は29歳でした。また、スペインのIE Business Schoolでは平均年齢が30歳となっています。
平均年齢が高いということは、クラス全体の年齢層のばらつきもUSに比べて上に寄っています。
欧州MBAの場合、30代中盤までの方にはチャンスがあると思っていただいて問題ないでしょう。
(実際、私も35歳で欧州のスクールからオファーをもらっています。)
2. 学生の国籍がバラエティに富んでいる
アメリカのMBAもこぞって「うちのスクールはDiversityが豊かだ!」と言いますが、国籍のバラエティについては明らかに欧州MBAに軍配が上がります。
日本人受験生の目線で見てみると、国外出身者の枠が大きいことがメリットですね。
こういう話をすると、「いやいや、USのスクールも最近はいろいろな国から学生を受け入れてるよ!」という反論があろうかと思います。
そこにはちょっとしたトリックがあるのです。
またぞろハーバードの例を出して恐縮ですが、先ほどみたClass of 2019のProfileのうち、Countries representedは70とあります。
これを見ると、70カ国からほどよいバランスで学生がきている、と解釈したくなりますよね。
ところが、その少し下のCitizenshipの欄を見てみると、アメリカ(USA)がなんと65%を占めているのです!
ということで、たしかに国の数こそ多いものの、実態としては3分の2がアメリカ人なんですよね・・・。
一方で、欧州代表としてINSEADのプロフィールと比べてみるとその差は歴然。
もともと、INSEADはポリシーとして「どこか特定の1カ国の出身者がMajorityにならない」よう配慮しているそうです。
Class of 2018のInternational Students(=フランス以外の出身者)割合は89.4%なので、もはやフランスの学校であったことすら忘れてしまう勢いです。
では、なぜ欧州のほうが多様性に富んだ学生が来るのでしょうか?
理由は単純。
欧州大陸は地続きですし、英国もすぐとなりにありますよね。
そりゃあ、来る人の国籍も豊かになるってものです。
また、植民地時代の名残や移民を受け入れてきている歴史も長く、多国籍の環境により慣れているということも要因としてはあるのでしょう。
3. テストスコアの基準がUSのMBAよりも少し緩い
日本人受験生にとって最も大きなメリットは、テストの基準がアメリカよりも多少緩和されることでしょう。
アメリカのスクールにおけるGMATの熾烈さはここで繰り返すまでもないと思います。USトップスクールでは基本、700点以上が当たり前の世界ですよね。
欧州でも、LBSやINSEADなど、クラスの母数が大きく、志願者も多いところは必然的にそうなってきます。
ただ、それでも多様性の観点から、職種のユニークさやエッセイの中身などで挽回のチャンスはあります。
それ以外の欧州のスクールでは、GMAT680点くらいが合格者平均スコアとなっているところが多数を占めます。
たかだか20点の差、と思われるかもしれませんが、一度実際にGMATを受験されればこの差がいかにありがたいか、身にしみてわかると思いますよ笑
また、そもそも欧州にはGMATにこだわらないスクールも多かったり、TOEFLではなくIELTSでOKというところも多いですよね。
IE Business Schoolに至っては、IE Testという独自のテストをGMATに替えて認めていたりします。
GMATやTOEFLはどうしても合う、合わないがありますので、自分には向いてないな・・・と思う人はぜひ欧州のプログラムを視野に入れてみられてはいかがでしょうか。
4. ほとんどのプログラムが2年未満である
これはある意味メリットでもありデメリットでもあるかもしれませんが、欧州のプログラムはほとんどが2年未満。
短いものはINSEADの10ヶ月というのもあります。英国はだいたいが1年プログラムですね。
ひるがえって、USのスクールはほぼ間違いなく2年です。
日本人、特に社費留学生にとっては、あまりに長い間会社を離れることへの不安感があります。それを一定程度緩和できるのがありがたいですね。
ご家族がいらっしゃる方は、家族と離れる期間も短くできます。
(一緒に連れて行く場合もあると思いますが)
また、私費の人にとっては生活費の負担が少なくてすむのがメリットでしょう。
どう考えても、海外に住む期間が1年違うというのは経済的なインパクトがまったく違います。
おすすめの欧州MBAスクール3校はここだ!
欧州MBAのメリットをお伝えしたところで、私が個人的におススメしたい欧州のスクールを3つ挙げたいと思います。
1. Oxford Said School
- FTランキング:27位(2018)
- 平均GMATスコア:690
- 期間:1年
- HP:https://www.sbs.ox.ac.uk/programmes/degrees/mba
英国で最も有名な大学、オックスフォードのMBAです。
なぜこのスクールをおススメするか。理由は
「オックスフォードだから」
これに尽きます。
別の記事でもお伝えしていますが、MBAを取るなら一般の人が知っている名前のスクールにしておくに越したことはありません。
Oxford Said Schoolはランキングこそ27位と、少し低めではありますが、知名度・ブランド力なら世界ベスト10といっても過言ではないでしょう。
もうひとつの雄、ケンブリッジ(Cambridge Judge Business School)はここのところ人気が一気に上がってしまっています。
ということで、お買い得度ではOxfordが欧州のなかでも屈指のスクールと言っていいでしょう。
2. HEC Paris
- FTランキング:27位(2018)
- 平均GMATスコア:690
- 期間:16ヶ月
- HP:http://www.mba.hec.edu/
お次はフランスから。HECはフランス語読みで「アシュウセ」といいます。
このHEC Paris、日本における知名度は残念ながらそれほどないのですが、フランスでは「グランゼコール」という超エリート教育機関に属しているMBAプログラムです。
フランスの政治家や官僚、企業の経営者などは多くがこのグランゼコール出身。
フランスに限らず、欧州大陸で「グランゼコール卒」のブランドはかなり強力です。
もしそのまま欧州で就職を考えていらっしゃるのであれば、選択肢の中に入れておいて損はないです。
GMATも690ということで、ほんの少しUSのトップスクールに比べれば緩やかです。
※わたしの個人的な感覚では、もうちょい低くても入れると思うのですが。
3. IE Business School
- FTランキング:8位(2017)
- 平均GMATスコア:670
- 期間:15ヶ月
- HP:https://www.ie.edu/business-school/degrees/international-mba/
最後に、スペインはマドリードの有名校、IE Business Schoolです。
今年(2018年)はいろいろあって、FTランキングから除外の憂き目に遭ってしまいましたが、去年は堂々のトップ10入りを果たしているスクールです。
(IEの名前を知らなくても、FTで世界ベスト10に入っています!と言えればそれなりのインパクトはあるでしょう)
日本人にとっても入りやすいスクールで、東京にオフィスがあるのが特徴。
面接もそこで行ってくれるので、わざわざマドリードまで行く必要はありません。
※2018.8.30追記:現在は面接をマドリードもしくはSkypeで行っているそうです。情報提供は引き続き東京オフィスで行っているとのこと。
上述のとおり、GMATのほか、GREやIE Testという独自のテストも使っているため、特にGMATが苦手な方にはおススメのスクールです。
まとめ
欧州MBAはUSのスクールにはない特色がたくさんあります。
特に、
・年齢が高めの人
・真に国際的なクラスで学びたい人
・キャリアの中断を最低限にとどめたい人
・費用を(相対的に)安く抑えたい人
には欧州MBAが向いているといえるでしょう。
ぜひ、欧州のスクールも選択肢に入れていただき、ご自分にあったスクールに合格されることを願っております。