MBA受験で知っておくべき、出願戦略のウソ・ホント

皆さんこんにちは。

MBA受験にあたって、どこのスクールに出願するかという、いわゆる「出願戦略」という考え方があります。

※ここでいう「出願戦略」とは、どこに出願するのが一番合格する可能性が高まるかを考える、という意味です。

この戦略、どうやって立てるか理解してますか?

 

まさにビジネスと同じで、戦略がそもそも間違っていると、いくら局地戦で強くても勝つことはできません。

一方、巷でいう「出願戦略」も玉石混交。誤った「戦略」を選んでしまうともう目もあてられません。

今日はそんな、MBAの出願戦略についてのウソ・ホントを、私自身の経験も交えお伝えします。

 

自分が学びたい分野に強いスクールを選ぶべき:ウソ

これはウソです。

たとえばファイナンスに強い学校に行きたいので、A校とB校とC校と・・・という組み合わせにしたとしましょう。

あなたにお訊きしたいことがひとつあります。

「ファイナンスに強い」っていったいどういう意味ですか?

教授が有名ということでしょうか?
でもそれ、あなたがファイナンスを理解できるかどうかとは別問題です。

はたまた、金融関係への就職者が多いということでしょうか?
それはもしかしたら、すでに金融業界から学生がわんさか集まってるだけではないでしょうか。

 

断言しますが、「○○に強い」という理由でスクール選びをしたところで、合格する可能性は0.00001%も変わりません。

 

そもそも、どこのスクールに行っても、ファイナンスで勉強する内容に大きな差はありません。

おそらく90%以上の学校がBrealey & Myers著の「Principles of Corporate Finance」という教科書を使っています。

当然、NPV(現在価値)の出し方も同じなら、ブラック・ショールズモデルの使い方も一緒。

というか、違ってたら困りますもんね・・・。

そんなことに気を遣うくらいだったら、より多くの人が知っていそうなブランド力のあるスクールを選ぶほうが、将来的にはずっとお得ですよ。

あるいは、先生やアドミッションの人の雰囲気とか、そういうソフト面で選ぶのもいいでしょう。

 

30歳を超えたらアメリカのMBAは受かりにくい:ホント

残念ながら、これはホント。以下のリンクにデータが出ています。
http://www.vinciaprep.com/en/blog/average-age-mba-applicants-us

軒並み、平均(Meanといいます。この手の話は合格したらイヤっていうほど勉強しますよ笑)年齢は20代中盤から後半。

とりもなおさず、USのスクールは若い人がほしいということなのです。

それを覆すにはよっぽどのことがないとムリ。たとえば、それこそ20代半ばの社員を10人くらい率いて一大プロジェクトを成し遂げた、とかでしょうか・・・。

30代はじめならまあなんとか大丈夫でしょうが、35歳を超えたらあまり期待しないほうがベター。

可能性がゼロということはもちろんないのですが、30を超えた方が確実に合格したいならアジアや欧州のMBAを中心に受験することを強くおすすめします。

 

GMAT、TOEFLのスコアが低くても出願したほうがいい:ウソ

ウソ!

出願戦略にまつわるウソはたくさんありますが、私は個人的にこれが一番始末が悪いと思います。

仮にあなたのGMAT, TOEFLのスコアが目標に少し届いてないけど、あるスクールにどうしても出願したいとしましょう。

そのとき、誰に相談しますか?

きっと、あなたが今通っている予備校ですよね?

それ、「髪を切るべきかどうか、床屋に訊いてはいけない」っていうやつです。

 

予備校はきっと、「出願してみましょう!」と言います。

これを「あなたの可能性を信じてくれている」と努めて好意的に解釈したいところ。

ですが実際のところは、

「出願してくれないと、エッセイ添削とか面接対策で稼げない」

からそう言っている可能性が高いです。
※みんながみんなそういう悪質なところじゃないですよ!念のため。

 

あるいは、

「受験するスクールを増やしたらどうか?あなたのやりたいことからするとこことここなんていいかもよ・・・」

なんてことを言ってくるかもしれません。

それには理由が2つあります。

1つは「あなたが受験で全滅されると、予備校の評判に関わる」ということ。

もう1つは「受けるスクールが増えればそれだけ準備が必要になり、したがってさらに予備校にお金を落としてくれる」ということです。

いずれにせよ、あなたのスコアでは行きたいスクールには行けない、とスパッと言ってくれるはずがないのです。

TOEFLやGMATが合否を決める要素のすべてではない、というのはもちろんホントだと思います。

が、それがそのまま「TOEFLやGMATの点数が低くても合格できる」という意味にはなりません。

 

こういうことをいうと、


「いやでも実際、点数足りなくても『条件つき合格』になった人いるし」

とのたまう方がいらっしゃいます。

それ、ただの「生存バイアス」ってやつじゃないですかね?

そうやって逆転勝利した輝かしい人のうしろには、おびただしい数の屍が横たわっている・・・、そう考えたことはないでしょうか。実際そうです。

私自身、欧州のとあるスクールから


「HPにも書いたと思うけど、うちはGMATが○○点に達してない人は一律でお断りしてますんで。じゃ。」

というメールを、出願種類提出後1週間で拝受したことがあります。

悪いことは言わないので、行きたいスクールの求めるスコアに達してなければ、達するまで出願を伸ばすか、受験校を変えることも視野に入れてご検討ください.

 

そもそも職務経験なしは受かりにくい:ホント

これはホント

わたしの大学の友人で、卒業後すぐにUSのMBAに行きたい!といっていた人がいました。

英語はできたので、TOEFLやGMATでそれほど困っていた様子はなかったのですが、エッセイとインタビューに死ぬほど苦労したそうです。

それ以前の段階で、基本的に職務経験がない人を受け入れてくれるスクールは非常に限られます。

いわゆる有名校(Harvard, Stanford, INSEAD, London Business Schoolなど)は絶対ダメですね。

MBA受験で、ビジネススクールはあなたのココを見ているの記事でも書きましたが、ビジネススクールというのはひとつの大きな「世間」ですし、あなたがどの程度その「世間」のために貢献してくれるかをしっかり値踏みしてきます。

なので、実績のない人は(よっぽどポテンシャルがあると見込まれない限りは)相手にされない、ってことになります。

まとめ

さて、出願にまつわるウソ・ホントを列挙してみました。

いろいろ厳しいことも書きましたがいかがでしたか?

もちろん、いろんなご意見はあろうかと思いますが、是非経験者の意見として頭の片隅に置いておいていただければと思います。

以上、MBA受験戦略のウソ・ホントでした。
皆さんが最短経路で合格を勝ち取るヒントになれば幸いです。

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