皆さんこんにちは。
MBA受験を志した方はみな、一度はこの疑問が頭をよぎるのではないでしょうか。
「TOEICで何点取れていると、TOEFLではどのくらいのスコアが取れるのか?」
この点について、巷には「TOEIC→TOEFL換算式」なるものがあまた流布しています。
が、はっきり言って、それらの99%はテキトーです。見ちゃダメ。
何の役にも立たないどころか、あなたにとって有害ですらあります。
そうした現状を正し、みなさんにより実態に即した換算式をお届けすべくこの記事を書きました。皆さんのご判断の一助になれば幸いです。
Contents
そもそも、TOEFLとTOEICを換算しようとすることにはムリがある
ある程度言い尽くされた感もありますが、そもそもTOEFLとTOEICは生い立ちが違いますので、比較は容易ではありません。
TOEICがあくまで「ビジネス上のコミュニケーションに必要な英語の運用能力」を測定しようとするものなのに対して、TOEFLは「アカデミックな環境下で必要な英語の運用能力」をみるものです。
TOEFL、TOEICを運営するETSでさえ、公式に換算式を出していないことからも、いかに単純な比較が難しいかがお分かりになると思います。
また、最近でこそTOEICにもSpeakingとWritingが加わりましたが、そこを無視して従来のTOEIC(Listening/Reading)とTOEFLを比較しているケースも散見されます。
こうしたことをまったく無視した「なんちゃって換算式」が流布しているのは由々しきことです。
「なんちゃって換算式」の最たる例:TOEIC900点=TOEFL100点?
「なんちゃって換算式」は例を挙げたらそれこそキリがないのですが、冒頭申し上げたとおりあなたにとって有害以外の何者でもありませんので、ここでは紹介しません。
ただ、あまりに例がないのもどうかと思いますのでひとつだけ。
それがこの
TOEIC900点=TOEFL100点
というもの。
一度でもTOEFLを受験されたことのある方であれば、これがいかにナンセンスかお分かりいただけるでしょう。
上記したとおり、TOEIC(LR)だけでTOEFLとの比較をしている時点で意味不明です。
恐ろしいことに、例年この式を真に受けてTOEFLを受験し、顔面蒼白になって帰ってくるMBA受験生が後を絶ちません。
来年以降はそうした人が一人でも少なくなることを切に願います。
お待たせしました。真のTOEIC→TOEFL換算式はコレだ!
では、私自身の実体験、および周囲の人間から聴取してまとめた、
「真・TOEIC→TOEFL換算式」
をここにご披露したいと思います。それがこちら。
少し解説させてください。
【本換算表の解説】
・TOEFLスコアは“Potential”スコア。必ずこの点数ということではなく、「TOEICでこの点数が出せる人は、きちんとTOEFL向けの対策をすればこのスコアが出せるだろう」という意味。
・何もTOEFL対策をしていない場合、TOEICスコアに対応するTOEFL欄の左のスコアが予想しうる最大スコア。
(例:TOEICのListeningで400点の人は、TOEFLでは20点程度にとどまる可能性が高い)
・TOEFLはSpeakingよりWritingのほうがスコアが伸ばしやすい(テンプレ効果が高い)と想定。
・概して、TOEICスコアが低いほどTOEFLスコアのブレが大きくなる(基礎力に不安があるため)。それを反映し、概して表の下のほうがスコアの触れ幅が大きくなっている。
・一方、TOEIC(LR)満点の人は、同じ満点でもその集団の中でどのくらいの実力差があるのか不明なため、TOEFLスコアの触れ幅が大きくなっている。SWは調査サンプルが少ない(自分と1、2名)のため、過大評価・過小評価の可能性あり。
・TOEIC SWを受けたことのない人は目安として、Lスコアの3つ下をSスコア、Rスコアの2段下をWスコアとみなして計算する。
(例:L=460, R=460の人は、S=150,W=160に該当するTOEFLスコアを見る)
この表と解説にしたがって、TOEIC900点(Listening, Readingとも450点)の人がどのくらいのTOEFLスコアになるかを計算すると、
何も準備をしていない状態、かつSWテストを受けたこともなければ、
TOEFLでのスコアはせいぜい85点がいいところ、ということになります。
このほうが真実にずっと近いでしょう。
まとめ
まあ、もともとムリのある中で「真・換算式」も何もないのですが、それでも今回ご紹介した表は、巷のいい加減な換算式よりはよっぽど実態に近いと自信を持って言えるものです。
ぜひETSも統計データに基づいた、きちんとした目安を出してくれればいいなと思います。